けれど、観葉植物には必ずお世話がつきもの。面倒見切れず枯らしてしまった経験もあるものです。そんな方に贈る今展では、「ボタニカ」をテーマに、それに纏わるものからインスピレーションを得る5名の作家をご紹介いたします。
古今東西の花々や果実が生い茂るユートピアのような風景を日本画材で描く、奥村彰一。名もなき草花のように生活の中に溶け込む小さくて曖昧な存在を、オリジナルに調合した土や釉薬で生み出す、椎猫白魚。自在に広がる色使いと多様なテクスチャーが絶妙にパッチワークされたような「陶のキノコ」をつくる、鈴木喬子。深い森のなかで現実と空想が入り混じる物語のような世界を、従来の油彩画と異なる瑞々しい筆致で描く、新藤杏子。モチーフの具体性を欠くほど極一部分をトリミングし、表面には見えない、けれど五感に触れてくるような質感で描きだす、服部知佳。
たっぷりと水やりをした葉が生命力を放つように、作家の身体を循環した感性が様々な植物を表現する、みどり溢れる作品群をお楽しみください。
〈ARTIST〉
奥村彰一 / 椎猫白魚 / 新藤杏子 / 鈴木喬子 / 服部知佳
https://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/240503botanica.html
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